トランプ大統領 中国資本の米半導体企業買収を禁止

トランプ大統領はこのほど、国家の安全を懸念して、中国政府と関係がある中国企業によるアメリカの半導体企業の買収を禁じると発表しました。トランプ政権は外国企業によるアメリカへの投資を誘致する一方、国家の安全を考慮し、中国資金の浸透を阻止していると見られます。

昨年11月から、中国資本であるキャニオン・ブリッジ・キャピタルによる13億ドルのラティスセミコンダクターの買収計画は、監督調査機関により、国家の安全を理由に否決されました。その後、この買収計画はホワイトハウスに委ねられ、トランプ大統領が禁止を決定しました。

中国問題研究家 ゴードン・チャン氏:「中国は毎年一千万ドルに上るアメリカの知的財産権を窃取しています。それなのに、なぜそんな国に買収させるのでしょうか?技術革新こそがアメリカ経済の中心であり、国力の拠り所だと考えるべきです。」

キャニオン・ブリッジ・キャピタルは表向きはシリコンバレーの未公開株式投資会社ですが、監督機関は、同社のベンチャーキャピタルのほとんどは中国の国有資産管理会社が出元だと指摘しています。同社はこの買収計画で、中国から資金が出ていることを隠してきたといいます。

アメリカ企業研究所経済専門家 デレク・シザース氏:「アメリカ企業によるアメリカ企業の買収に見せかけていますが、実際の資金は中国、しかも中国政府から出ているのが実態です。買収計画はいかさまであり、否決されたのは当然です。」

現在、2件の中国資本による買収案が批准を待っています。アリババ集団傘下のアント・フィナンシャルによる12億ドルでの送金ネットワーク会社マネーグラム買収計画と、中国オーシャンワイド・ホールディング・グループによる27億ドルでの保険会社ジェンワース買収計画です。

アメリカ企業研究所経済専門家 デレク・シザース氏:「アント・フィナンシャルによるマネーグラム買収計画は、技術のみならず個人情報に関わるケースで、アメリカと中国の法律の違いも問題です。この買収を阻止すれば、米中の経済関係に本質的な変化をもたらすことになるでしょう。」

アメリカのジョン・コリン上院議員は今年6月、対米外国投資委員会により大きな監督権限を与え、国家の安全に関わる外国の投資に対し制限を強化するための法案を起草中だと発表しました。

中国問題研究家 ゴードン・チャン氏:「アメリカ政府は外国資本による買収への調査方法の見直しを進めています。これは中国が引き起こしたことで、長期にわたるでしょう。」

 
関連記事