たった一室のフラットルームがボタン操作だけで寝室、リビング、書斎、シネマ・ルームなどに早変わりします! この新しいコンセプトの住宅がイギリスで誕生し、話題になっています。
発案者は、英国版回転寿司「YO! Sushi」とカプセルホテル「YOTEL」の生みの親、サイモン・ウッドロフ氏。「YO! Home」は数年前に英メディアに取り上げられてから、注目を集めています。
設計の原点は、限られた空間をいかに実用的かつ快適な住空間にすることだといいます。ここでは、床面積74平米のモデルルームを紹介します。
面積が豪邸に引けない寝室の中央にあるベッドが、ボタンひとつで天井に上って行き、ベッドの元位置に8人以上が座れるソファが登場。一瞬にして、ベッドルームがシティーホテル風のラウンジに生まれ変わります。
部屋の片側の壁を回転させると、アクセサリーの入る戸棚やドレッサーなど、女性が喜ぶ空間が現れます。
部屋の一角に佇むデスクは書斎のスペース。これまたボタンひとつで、プリンターなどが床から浮上してきます。来客の時、書斎のデスクを床下に沈ませ、壁からベッド・仕切り壁・ドアを引き出せば、書斎が瞬く間にゲストルームに様変わりします。
またボタンひとつで、大型スクリーンが天井から降りてきて、ホーム・シネマ・ルームに早変えします。
壁のなかにはフル・キッチン・ユニット、床の下には掘りごたつ式のダイニング・テーブルが隠されていて、このスペースが広いダイニング・キッチンにもなります。
そのほか、シャワールームの床を開くとバスタブが現れるなど、実にスリル満点で魔法使いのような家です。
床面積39平米のモデルルームも公開されています。家具付きで住宅の本体はほとんど工場で作られて、建築現場で組み立てるのみと言います。
デメリットは収納スペースが一般の住宅より少ないと言われています。
ウッドロフ氏の話では、将来、購入者は壁の色や、フローリグの材質など内装をオプション注文できます。
気になる販売価格は公表されていませんが、関係者の話によると、同床面積のアバートより5〜15%増しで、売り切れが続出しているとのことです。