米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)の首席交渉官会合は22日からの2日間、東京で開催されることがわかった。協定案の内容確定や署名日付の決定など最終作業を執り行う予定で、難色を示すカナダの出方が注目される。
茂木敏充経済財政担当相は19日の記者会見で同首席交渉官会合の日程を正式発表した。
昨年11月にベトナムで開いた閣僚会合では、TPPのけん引役だった米国の離脱により改定された協定案に、関係11カ国はいったん大筋合意したが、カナダが一転して内容の見直しを求めている。
自国文化を守るとの理由で、外国からの投資を例外的に制限する「文化例外」の編入を要求しているが、参加諸国の賛成をとりつけるのは難しいとみられる。
議長国の日本はカナダの説得を続けているが、状況次第では、署名時期を大幅に遅らせたり、カナダ抜きの署名、発効も現実味をおびてきた。
茂木氏は今回の会見で、カナダに対して「現実的対応を期待している」と強調し、早期発効に向けた効率的な議論を望むとプレッシャーをかけた。
昨年11月に大筋合意の協定案によれば、日本の農産品や工業品など全9018品目のうち95.1%で関税が即時、または段階的に撤廃され、そのうち農産品の82.9%が関税撤廃の対象になる。
TPP11の発効により、参加11カ国の間で大半の農産品や工業製品の関税が廃止・軽減され、輸入品価格の低下で消費者にとってのメリットは大きいのようだ。
一方、議長国の日本があくまでも米国の復帰を期待しているが、トランプ政権は自国に有利となる日米2国間自由貿易協定(FTA)の交渉を最優先する姿勢を変えていない。