咽喉痛―のどの痛みには「少商穴」

喉の痛みに対し、漢方はどう対処するのか?林先生は、ある経験談をご紹介。

林先生はかつて、喉の痛みを訴えた患者に対して「少商穴(しょうしょうけつ)」を用いたという。このツボは、手の親指の爪の根元にある。ここからうっ血した黒いドロドロした血を少し出した。つまり、この「少商穴」から瀉血(しゃけつ)をしたのである。

喉が痛むのに、手のツボを刺激するとは面白い。実は、漢方では「人の体には気血の流れる経絡があり、それが詰まると痛みが出たり病気になったりする」と見る。今回の喉の痛みは、手の太陰肺経(たいいんはいけい)に属する。したがって、この経絡の流れをスムーズにするために、太陰肺経に属する「少商穴」から瀉血をしたのだ。

ちなみに飲み込む際、つまり食道のあたりで違和感を感じた場合には、手の陽明大腸経を探す。この経絡の通りをスムーズにするために、人差し指の爪の根元にある「商陽穴」から同じく瀉血すると良い。

もちろん、漢方では病の原因を除くのが肝心だ。例えば、疲れやストレスは禁物。これが取り除くのがまずは出発点である。

 

【漢方の世界】咽喉痛―のどの痛みには「少商穴」

 

 
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