カルテ(六)―運命にないものは得られない

本日のカルテの主人公は、目まいに悩む一人の女性。彼女には大金持ちの親友がいたが、ある時その親友の妻が他界する。この親友の豪華な別荘に心奪われた彼女は、その後釜を狙う。そして、望み通りに親友の夫人の座を得たが、それ以来ひどい目まいに悩まされることになる。彼女は何とかこの苦しみから逃れようと、診療所を訪れて漢方医に救いを求めたのだが……

胡先生は、この女性のケースを二つの角度から切る。まずは、目まいという症状。実は鍼灸にとって、この目まいはお手の物。耳の周りに有効なツボが集中している。例えば、角孫(かくそん)、風池(ふうち)など。

もう一つは、「場」に着目。つまり、周囲の環境(汚染や電磁場、磁場など)が彼女に合わなかったために、目まいを招いたのであろう。実の所、これには深い意味がある。自分に合わない環境、それは自分のいるべき場所ではない、と暗示しているのかもしれない。

彼女は、漢方医と語らう中で徐々にこの点に気づいて行く。そして、最後こう漏らすのだ。「定めにはないものを無理に求めたから、こんなことになったのでは?」

実は、自分の運命にあるものは自然に得られるし、逆に運命にないものは、どんなことをしても得られない。中国語では「是你的丟不了 不是你的爭也爭不來」。

人の真の幸せとは何か?人は一体どう生きるべきか?改めて考えさせてくれる深いテーマだ。番組をお見逃しなく。

 

 

【漢方の世界】カルテ(六)―運命にないものは得られない

 

 
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