「歯痛は病ではなくとも、痛くなると命取り」といわれるほど、本当につらいものだ。恐らくこんな時、すぐに駆け込むのは歯医者。歯痛で漢方に助けを求める人は、まずいないだろう。だが、実はツボを活用すれば、痛みを和らげるのは可能なのである。
何度もご紹介しているように、漢方では「経絡が通らなくなると痛みが出る」。だから、歯が痛むのであれば、それに通じる経絡が詰まっているのかもしれない。ならば、その詰まりを取ればよいのだ。
まずは歯痛を二つに分けよう。下の歯痛と上の歯痛だ。下の歯は、手の「陽明大腸経(ようめいだいちょうけい)」に属し、上の歯は足の「陽明胃経(ようめいいけい)」に属する。したがって、これらの経絡にアプローチすればよい。
手の陽明大腸経に属し、押しやすいツボとして林先生がお勧めするのが手のツボ、「合谷(ごうこく)」だ。ただし、男性は左手、女性は右手である。
ただしこれは、暴飲暴食などの結果「陽明大腸経」が詰まった際の対処法だ。虫歯ならば、もちろん対処法は異なる。まずは正確に原因をつかみ、それを取り除こう。
【漢方の世界】歯痛(一)―ツボ押しで歯痛が和らぐ?