道端に、ごくありふれている花、タンポポ(蒲公英)。この小さくて可憐な野草は、実はとても大きなパワーを秘めている。特に古代、薬草として珍重されてきた。清代末期の名医「張錫純(ちょうしゃくじゅん)」も、タンポポの優れた効能や即効性を強調している。
例えばタンポポは「急性乳腺炎」「急性結膜炎」「急性肝炎」の緩和に最適だ。というのも、タンポポは脾胃に入るので抵抗力を高めることができ、さらに熱も除ける。そのため、各種炎症に対して有効なのである。
ただし、タンポポは熱を除く寒冷性の物なので、摂りすぎには要注意だ。例えば、体が疲れていたり、胃が弱っていたりしたら逆効果になってしまう。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」なのである。
【使い方】
①急性結膜炎に対して
材料:乾燥タンポポ 25~50グラム
菊の花
スイカズラ
方法:これらを煎じた汁で目を洗う。または内服。
②急性乳腺炎
方法:生のタンポポを汁が出るまでついてから、直接貼る。
③急性肝炎
材料:タンポポ 25グラム
カワラヨモギ 25グラム
土茯苓(どぶくりょう) 25グラム
チガヤ 25グラム
方法:これらを煎じて飲む。
【漢方の世界】タンポポ―不思議なパワーを持つ道端の野草