背を伸ばしたい―成長ホルモンのゴールデンタイム

今ではよく、見上げるような背の高い若者をよく見る。欧米人顔負けのスタイルを誇る日本人も珍しくなくなった。それでも、「背を伸ばしたい」と願う者は尽きない。今回は、そんな皆様にうってつけの話題をご紹介。

よく知られているように、身長の伸びは成長ホルモンと関係する。この成長ホルモンは、大脳の下に位置する脳下垂体から分泌される。ちなみに、この脳下垂体は小指の先ほどの大きさしかなく、わずか0.5グラムに過ぎない。だがホルモン分泌や神経活動と関わり、人体にとって極めて重要だ。

話を戻すと、この成長ホルモンの分泌こそが鍵となるわけだが、それにはいくつかの要素が関わってくる。まずは睡眠だ。つまり寝ているときに分泌されるわけだが、その時間帯にも気を払う必要がある。

というのも成長ホルモンは一日中分泌されているが、夜12時頃が分泌のピークとなる。加えて、眠りに入って1時間後に分泌が最も盛んになる。したがって、夜11時前には寝ることが理想なのだ。

ところで漢方では、「胆や肝の養生が大切」という。つまり、気が胆や肝をめぐる時間帯に睡眠をとることが望ましいのだ。この気は十二刻に従って体を運行しているが、胆や肝をめぐるのが、それぞれ子の刻と丑の刻。これは夜の11時から3時までに当たる。興味深いのは、これがまさに西洋医学でいう「成長ホルモンの分泌のピーク」と重なるのだ。

もちろん身長の伸びは、睡眠のほかに食生活や運動も重要だ。よく眠ることのほか、十分な栄養を摂り、活発に運動すること。これこそが成長ホルモンの分泌を促すからである。

ではもし、これらを改善しても駄目ならばどうか。漢方には様々な対処法がある。例えば、「湧泉穴(ゆうせんけつ)」や「足心穴(そくしんけつ)」への鍼灸。このほかに、経絡の流れをスムーズにする漢方薬も有効だそうだ。

 

【漢方の世界】背を伸ばしたい―成長ホルモンのゴールデンタイム

 
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