米国防省は19日、トランプ政権下の初の戦略文書、国防の方向性を記す「国家防衛戦略」を発表した。
同戦略は、トランプ大統領が昨年12月に公表した「国家安全保障戦略」に基づくもの。
中露両国を、現状の(米国主導の)国際秩序を変えようとする「修正主義勢力」として、主要な脅威とみなす。国防の最優先事項を、十数年間続いた「テロとの戦い」から、「中国とロシアとの長期的な戦略的競争」に移り変わると明記した。
中国について、「インド太平洋地域での覇権を狙い、将来的に米国に変わって世界で優位に立とうとしている」と危機感を示した。
ロシアについては、周辺国の国境を侵犯したり、経済や外交などの政策決定に影響を及ぼしたりしていると批判。核戦力の拡大や近代化にも警戒感を示した。
北朝鮮やイランを「ならず者国家」と位置付け、北朝鮮の脅威に対処する弾道ミサイル防衛の強化を明言した。
新しい国家防衛戦略は米軍増強の必要性を強調し、今後の国防予算は見直されるとみられる。同盟国に一部負担をもとめる含みをも残した。