[東京 22日 ロイター] – 東京都内で初となる弾道ミサイルを想定した避難訓練が22日午前、文京区の東京ドームシティ周辺で行われた。訓練には近隣の住民や在勤者約300人が参加。ミサイル発射情報が流れてから建物内や地下などに避難する手順を確認した。
訓練は文京区役所を中心に、隣接する駅や東京ドームの遊園地内、住宅街で実施された。雪交じりの雨が降る中、午前10時すぎにミサイル発射を知らせる放送が流れると、遊園地では参加者が遊具から降り、係員に誘導されて建物内に移動した。
参加した会社員の男性(50)は、「サイレンが鳴ってからどう行動すればいいのか(これまで)知らなかったが、地下にもぐるとか、5分以内に避難場所を探さないといけないなどといったことが分かった」と話した。
政府によると、北朝鮮でミサイルが発射されてから緊急情報を伝達するJアラートが流れるまで約3分。ミサイルは8─9分程度で日本に到達することから、避難行動に当てられる時間は5分程度となる。「屋内にいる場合は外に出ると危険。たとえば自宅にいるときは、その中で避難行動を取ってもらいたい」と、末永洋之内閣参事官は言う。
政府が関与する形で弾道ミサイルの避難訓練を行うのは今回で27回目。地方自治体が独自に実施したものを含めると、全国で130回以上の訓練が行われている。
弾道ミサイルの避難訓練を巡っては、戦争や恐怖心をあおるなどとして反対する声もある。この日も区役所や遊園地の前では、「ミサイル訓練は戦争訓練だ」という横断幕を掲げたり、「ノー・ウォー(戦争反対)」と叫ぶ人たちの姿があった。