中国の財団が、欧州最大手のデータセンターホールセラーの「グローバル・スイッチ(Global Switch)」の筆頭株主になったことがわかった。ロンドンに本社を置く同社は英国とEU諸国の軍事情報など機密データを代理保管していることから、国家安全に関する懸念の声が噴出した。
英紙デイリーメールによると、中国の企業と機関投資家が共同出資する財団Elegant Jubileeは2016年12月末ごろから、グローバル・スイッチの株を取得しはじめ、昨年のクリスマスシーズンからさらに買い増しして、今は51%株の所有で経営権をもつ筆頭株主に躍進した。
それを受けて、オーストリア政府は、グローバル・スイッチ社にある自国の国防情報を全て引き出すと表明した。
英国の安全問題専門家、アンソニー・グリース氏は「我が政府は外資招致を最優先するあまり、国家の安全を顧みなくなっている」と政府の責任に言及した。
グリース氏は「中国政府は(情報を入手すれば)関係各国のエネルギー供給を止めることができるほか、情報を悪用してこれらの国々をけん制できる」と指摘する。
同財団に中国大手国営企業複数社が出資している。
グローバル・スイッチ社は1998年に設立され、全世界で11箇所の拠点を設け、金融機関や政府、企業の情報を代理で保管する。創始者のデービッド&サイモン ・ルーベン兄弟は今49%の株を保有している。