2017年、アメリカでは銃乱射事件や水害など多くの災難が発生しました。しかし、そうした災難の中でも、数多くの感動的な出来事が起こりました。
2017年2月、24歳のイアン・グリロットさんはカンザス州で発生したインド系住民へのヘイトクライムに遭遇しました。自身も銃弾を受けながらも、グリロットさんは勇敢に容疑者に立ち向かい、多くの人を助けました。
イアン・グリロットさん「みんなは僕を英雄と言うけれど、そんなことありません。同胞が危害を加えられるのを見れば、誰でも同じことをするでしょう」
10月、ラスベガスで銃乱射事件が発生しました。容疑者はホテルの32階の部屋から地上に向かって銃を乱射し、59人が死亡しました。この時、人々は互いに助け合い、中には、両手を広げて狙撃犯の注意を自分に向け、人々を守ろうとした人もいました。
「私に撃て!」
53歳のマイク・マクギャリーさんは身を挺して多くの若者を守りました。
「みんなも誰かを助けたいと思っている。自分だけがすごいことをしたわけではありません」
8月末、ハリケーン・ハービーがテキサス州を襲いました。警察官のレイモンさんは、ステージ4の大腸癌を患いながらも、1500人の被災者を洪水から救い出しました。
バート・レイモンさん:「神が私の祈りに応えてくれたのです。私の行動を見た他の癌患者が、自分の境遇に恨みつらみを抱かないよう励ますことができればいいと思います。」
人々が手と手を取り合って、水の中に取り残された高齢者を助け合うシーンもありました。ABCニュースが、「ハービーは多くを奪い去ったが、人の心までは奪えなかった」と報じました。
2017年、悲劇のほかに喜びもありました。
今年10月、赤ん坊の時に中国で捨てられ、アメリカで養子として育てられた16歳のモーガン・ハードさんが、世界体操選手権で女子個人総合の金メダルを獲得しました。
1999年から2010年までに6万4千人以上の中国人孤児がアメリカの家庭と養子縁組を結びました。アメリカには中国人の養子が最多です。
同じくアメリカの家庭で養育された26歳のコロンビア系移民、カプーゾさんは今年5月、ニューヨークの地下鉄線路に飛び込んで、ホームレスを救出しました。中国メディアは、養子を迎えるアメリカ人が多いのは、贖いの信仰を持つからだと指摘しています。
博愛、毅然とした態度、思いやりといったアメリカ人の道徳は信仰から来るものです。2015年のピュー研究所の世論調査によると、アメリカ人の7割以上がキリスト教などの伝統的な宗教を信仰しています。
トランプ大統領(2017年10月)「アメリカの幸福、繁栄、成功にとって、信仰と道徳は不可欠のものだとジョージ・ワシントンは言いました」
近代に入って、極端な思想や現代思想がアメリカの伝統的な価値観や民主主義の基幹を蚕食していますが、トランプ大統領はアメリカを伝統的な信仰へと回帰させると宣言しました。
トランプ大統領(2017年10月)「変わり果てた社会道徳を元に戻す時だ。トランプ政権において、国家の信仰と伝統が、これまでないほどに守られ、重視されることを誓う」