[31日 ロイター] – 米マイクロソフト<MSFT.O>が31日発表した第2・四半期(12月31日まで)決算は、実質利益と売上高が市場予想を上回った。クラウド・コンピューティング事業が引き続き好調だった。
第2・四半期は、米税制改革に関連して138億ドルの費用を計上したことから赤字に転落した。
ただ、特別項目を除く実質利益は1株当たり0.96ドルとなり、トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想平均の同0.86ドルを上回った。
純損益は63億ドル(1株当たり0.82ドル)の赤字。前年同期は62億7000万ドル(同0.80ドル)の黒字だった。
50パーク・インベストメンツのアダム・サルハン最高経営責任者(CEO)は、税制改革に伴う一時費用を計上するのがマイクロソフトだけならば懸念材料になるが、ほぼ全ての企業がしていることなので大きな問題ではないとの見方を示した。
売上高は12%増の289億2000万ドル。アナリスト予想の284億ドルを上回った。クラウドサービス「アジュール」の売り上げが好調だった。
マイクロソフトはナデラCEOが就任した2014年以来、パソコン(PC)需要の低迷を補うべく、急速に市場が拡大しているクラウド関連事業に注力している。
「アジュール」を含むクラウド部門の第2・四半期売上高は15.3%増の78億ドル。アナリスト予想平均の75億1000万ドルを上回った。
アジュール事業の増収率は98%。これで10四半期連続で増収率が90%以上となった。
マイクロソフトの「アジュール」はネット通販大手アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と競合する。
フォート・ピット・キャピタル・グループの株式アナリスト、キム・フォレスト氏は、1つのクラウドサービスに縛られたくないAWS利用者がアジュールの利用を始める動きが増収につながっている可能性を指摘する。
調査会社カナリスの昨年第3・四半期時点の予想によると、市場規模144億ドルのクラウド・コンピューティング市場で、AWSのシェアは31.8%超と最大、急速にシェアを伸ばすアジュールは13.9%で2位につけた。
マイクロソフトの他部門も堅調。「オフィス365」サービスを手掛けるプロダクティビティ・アンド・ビジネス部門の売上高は24.7%増の89億5000万ドル。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」やゲーム機「Xbox」、「サーフェス」製品などを取り扱うパーソナル・コンピューティング部門の売上高は2.36%増の121億7000万ドルだった。
決算発表を受け同社株価は引け後の時間外取引で下落したが、その後はプラス圏に浮上している。過去12カ月では約50%高。