[東京 1日 ロイター] – 仮想通貨NEMのブロックチェーン技術の普及を推進しているNEM.io財団の朝山貴生理事(テックビューロ代表取締役)は1日の記者会見で、約580億円相当の仮想通貨NEMが仮想通貨取引所コインチェックから流出したことについて、同財団の特命チームが犯人を追跡しており、現時点で2つの取引所への送金を確認したと述べた。
朝山理事によると、送金を確認したのはニュージーランドにあるクリプトピアと米国のポロニエクス。犯人が換金しないよう、取引所と連携しているという。
犯人像について、朝山氏は「全く分からない」と述べた。ただ、犯人の行動履歴を分析すると「資金送金が目的ではなく、追跡システムの仕組みをどうしているか見るための送金が主だ」という。
朝山氏は、近年は大口の換金をするのが難しくなっており、犯人が取り得る行動としては小口に分散して送金、追跡のかく乱、放置が考えられると述べた。
NEM.io財団は捜査当局に協力している。朝山理事は、複数の国の捜査当局が動いていると話した。
(和田崇彦)