金融庁、コインチェックに立ち入り検査 財産状況など確認

[東京 2日 ロイター] – 金融庁は2日、約580億円相当の仮想通貨が流出した問題で、仮想通貨取引所コインチェックに対し改正資金決済法に基づき立ち入り検査に入った。

2日午前8時、金融庁の検査官10人が検査に入った。検査を通じ、コインチェックの財産状況やシステム管理体制を確認し、同社の顧客対応を監視する。顧客対応については、仮想通貨の保管方法などについいて虚偽の説明がなかったか、という点も確認する。役員から同社のガバナンス体制の聞き取りも行う。

金融庁は1月29日に同社に業務改善命令を出した。同社は2月13日までに事実関係と原因究明、顧客への適切な対応など4項目について報告するよう求められているが、金融庁は、顧客保護の観点から報告書の提出前の立ち入り検査という異例の措置に踏み切った。

<金融庁、システムのぜい弱性を認識>

金融庁は2日の記者向け説明会で、コインチェックの登録審査で、同社のシステムの脆弱性を認識し、同社に早急な改善を求めていたと明らかにした。システムのぜい弱性が、審査長期化の一因だとした。

コインチェックは2017年9月13日に登録を申請した。通常なら審査は約2カ月で終了するが、登録されないまま5カ月になろうとしている。

もっとも、仮想通貨取引所の登録制が17年4月に導入される前から同社は仮想通貨の交換業を営んでいたため、「みなし業者」として事業を続けている。

(和田崇彦)

 
関連記事