[2日 ロイター] – 米国株式市場は、ダウ工業株30種が約666ドル下落し、約9年ぶりの大幅な下げ幅を記録した。1日の下落率としても1年8カ月ぶりの大きさとなった。労働市場の引き締まりによるインフレ見通しへの影響を巡る懸念や米債利回りの急上昇が売りを誘った。
週足でも、ダウとS&P総合500は2016年1月以来、ナスダック総合は2016年2月以来の大幅な下げを記録した。
ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「金利急上昇や、それに伴う株式への相対的な影響に対する不快感が増しつつあるようだ」と述べた。
1月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比20万人増と、市場予想の18万人増を上回った。賃金は前年比で2009年6月以来の大幅な伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)が年内の利上げペースを加速させる可能性があることが意識された。
これを受け、米10年債利回りは2.8450%と、2014年1月以来の高水準をつけ、株式よりも米債への投資妙味が高まった。
S&P総合500種<.SPX>を構成する11主要セクターすべてが下落。マイクロソフト<MSFT.O>の下げが主導し、ハイテク株<.SPLRCT>は3%安と、下げが目立った。
投資家の不安心理の目安とされるボラティリティ・インデックス(VIX)<.VIX>は17.86と、2016年11月以来の高水準をつけた。
個別銘柄では、石油メジャーのエクソンモービル<XOM.N>が5.1%、シェブロン<CVX.N>が5.6%下落。両社の第4・四半期利益が市場予想を下回ったことを嫌気した。
グーグルの持ち株会社アルファベット<GOOGL.O>は5.3%安。1日発表した第4・四半期決算は支出増が響き、実質利益が市場予想を下回った。
アップル<AAPL.O>も4.3%安。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の10─12月期販売台数が市場予想を下回り、1─3月期の売上高および粗利益率見通しが予想に届かなかったことで懸念を誘った。
アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>は逆行高。第4・四半期決算が過去最高益となったことを受け、目標株価の引き上げが相次ぎ、2.9%高で取引を終了した。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を7.70対1の比率で上回った。ナスダックでも3.90対1で値下がり銘柄数が多かった。
S&P総合500種構成銘柄では、18銘柄が52週高値を更新し、18銘柄が安値を更新。ナスダック総合構成銘柄では48銘柄が新高値をつけ、103銘柄が新安値を付けた。
米取引所の合算出来高は53億9000万株。直近20営業日の平均は73億3000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 25520.96 -665.75 -2.54 26061.79 26061.79 25490.66 <.DJI>
前営業日終値 26186.71
ナスダック総合 7240.95 -144.92 -1.96 7347.59 7364.43 7238.18 <.IXIC>
前営業日終値 7385.86
S&P総合500種 2762.13 -59.85 -2.12 2808.92 2808.92 2759.97 <.SPX>
前営業日終値 2821.98
ダウ輸送株20種 10687.18 -232.88 -2.13 <.DJT>
ダウ公共株15種 684.48 -4.76 -0.69 <.DJU>
フィラデルフィア半導体 1317.98 -37.09 -2.74 <.SOX>
VIX指数 17.31 +3.84 +28.51 <.VIX>
S&P一般消費財 841.07 -7.57 -0.89 <.SPLRCD>
S&P素材 378.94 -10.12 -2.60 <.SPLRCM>
S&P工業 656.51 -13.54 -2.02 <.SPLRCI>
S&P主要消費財 582.45 -10.50 -1.77 <.SPLRCS>
S&P金融 487.21 -11.15 -2.24 <.SPSY>
S&P不動産 194.17 -2.02 -1.03 <.SPLRCREC>
S&Pエネルギー 536.43 -23.11 -4.13 <.SPNY>
S&Pヘルスケア 1005.72 -13.70 -1.34 <.SPXHC>
S&P電気通信サービス 164.75 -4.34 -2.56 <.SPLRCL>
S&P情報技術 1154.30 -35.23 -2.96 <.SPLRCT>
S&P公益事業 253.14 -1.83 -0.72 <.SPLRCU>
NYSE出来高 10.24億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 22980 – 340 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 22960 – 360 大阪比 <0#NIY:>
*写真を追加します。
(ロイターデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)