[ソウル 5日 ロイター] – 韓国統一省は4日、平昌冬季五輪を機に北朝鮮が派遣する高官代表団のトップとして金永南・最高人民会議常任委員長が韓国を訪問すると発表した。
韓国統一省の発表文によると、金氏は9─11日の日程で韓国を訪れる。冬季五輪の日程は9─25日となっている。
金氏は形式的に北朝鮮の国家元首を務めている。
北朝鮮の朝鮮中央通信も5日、金永南氏が訪韓し平昌五輪の開会式に出席することを確認した。
韓国政府は、五輪期間中に南北、米朝で高位級会談が開催されることに期待を寄せている。
五輪開会式にはペンス米副大統領や安倍首相、その他各国の首脳も出席する予定。
韓国大統領府(青瓦台)は、金氏の訪韓がハイレベル対話に向けた「様々な機会」をもたらすとした。
大統領府の金宜謙報道官は5日の会見で、金氏の訪韓について「南北関係の改善や五輪の成功に対する北朝鮮の決意、そして誠実で熱心な姿勢を示している」と述べた。
大統領府によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日のトランプ米大統領との電話会談で、南北関係改善の動きは今後も続き、ペンス副大統領の訪韓は「重要な前触れ」になるとの認識を示した。
金氏は2008年の北京夏季五輪や2014年のソチ冬季五輪にも出席した。北朝鮮の核・ミサイル開発などに関与していないことから、国連や米国のブラックリストの対象にはなっていない。
統一省は5日、平昌五輪開催中に韓国で公演を予定している北朝鮮の芸術団について、船で韓国入りする可能性があると明らかにした。韓国は2010年5月にすべての北朝鮮籍船舶の入港を禁止したが、統一省の報道官は、今回は例外としたい意向を示した。北朝鮮側は芸術団の移動と宿泊施設として「万景峰92号」の使用を提案してきたという。