お粥の歴史は約2500年前に遡ります。健康に良いものとされて、患者の療養に効果があると、中国東漢時代の医学者・張仲景氏の漢方著書『傷寒雑病論』に記されています。
お粥は弱くなった体を温めてくれると同時に、消化しやすく栄養吸収が良いです。
また、人体に必要なミネラルがお粥には豊富に含まれており、鼻の粘膜を保護してくれる効果があると言われています。風邪を引いて熱が出たりした時に、よくお粥を食べる理由はここにあります。
さらに、お粥の良さはこれに留まりません。中医師・鄭慧文氏は以下のメリットをあげました。
食欲増進
特に生米から直接炊いたお粥は香りもよく口当たりがさっぱりしているので、食欲のない人でも美味しく食べられます。
胃にやさしい
胃腸風邪をひいてしまいますと、お腹が弱くなり、脱水症状になりやすい場合があります。水分をたっぷり含んでいるお粥は消化しやすく胃に負担をかけません。
発汗・デトックス作用
温かいお粥を食べると体もポカポカと温まり、汗を促し体内の毒素を排出することができます。
薬草の効果を高める
前出の張景仲氏は、煎じた薬草スープを服用した後の温かいお粥または冷たいお粥は、薬効を高めることができると著書で述べています。
朝食をお粥にすると、体内エネルギーの循環を促すことができる
朝、完全に目覚めていない体に温かいお粥を与えると、体に十分なエネルギーを供給することができるし、エネルギー循環の働きを促進します。
台北の上海同仁堂の中医師・胡乃文氏は、お粥に季節の食材を取り入れることを勧めています。漢方では体に適する食材は季節と色で選ぶことがあります。例えば春には、お粥にセロリ、ピーマン、ブロッコリーなど緑色の食材を配合。初夏には、赤色のトマト、ニンジン、アズキなどを取り入れます。長い夏になると、黄色のかぼちゃ、とうもろこし、大豆などが適し、秋には玉ねぎ、大根、白菜など白に属する食材が良いです。また、冬にはしいたけ、黒豆、黒ゴマの黒色食材に合わせて食べるとより体を労わり癒すことができると言います。
しかし、お粥はもはや風邪の時にだけ食べるものではなくなりました。最近女性の間では、美肌にお粥が良いとの話題で持ちきりです。お粥は満腹感を与えてくれる上、野菜や小魚などを入れると栄養バランスの良いダイエット食品にもなると、美容と健康を求めて実践する女性が増えているようです。