東京外為市場・15時=ドル109円半ば、株価注視し一喜一憂

東京 8日 ロイター] – 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅高の109円半ば。日経平均が午後に上げ幅を拡大すると、ドルも小幅に上昇した。落ち着かない株価動向が引き続き最大の焦点となっている。

朝方に一時109.12円へ下落したドルは、仲値公示を経て午後にかけてじり高。下値で国内投資家と見られる向きの打診買いが入ったことに加え、日経平均の上昇が円の下げを後押ししたという。

ただ、株価の動きが安定しない中で、上値を買い上がる動きはほとんど見られず、値動きは限られた。ドルの高値は109.69円だった。

<米金利再上昇、市場に強い警戒ムード>

市場では米金利が再び上昇し始めたことに、強い警戒感を示す声が上がっている。10年債利回りはダウ平均が史上最大の下げとなった5日こそ大きく低下したが、その後は株価の切り返しとともにじりじりと反発。前日は一時2.86%台と、急低下前の水準へ早々に値を戻した。5日につけた4年ぶり高水準となる2.88%にも再び接近しており、株価の重しとなるリスクが懸念されている。

前日の米市場では、一時400ドル近く上昇した株価が引けにかけて急失速する乱高下だったにもかかわらず、10年債利回りは一貫してじり高展開が続いた。

その背景となったのは、ややハト派とされる米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁が年内に「3回もしくは4回」の利上げを支持すると表明したこと、米議会が今後2年間の予算協議で合意し財政赤字への懸念が強まったこと、10年債入札で最高落札利回りが4年ぶり高水準、応札倍率が昨年9月以来の低水準を記録したことなどとされる。

きょうはアジア株もまちまちで市場は比較的落ち着いた動きとなったが、金利上昇に比較的感応度が高いとされる米ナスダック総合は前日、1%近い下げ。S&P総合500種を対象とするオプション取引を基に算出する「恐怖指数」のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は21付近で高止まりしている。「市場のボラティリティーは当面高止まりが続く」(外銀)見通しだ。

<BOEで英ポンドに動意か>

きょうはイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策委員会(MPC)に関心が集まっている。政策金利、議事要旨、四半期インフレ報告を一挙に発表する。

政策金利は据え置きがコンセンサスだが、成長率やインフレの見通しが上方修正される可能性が指摘されている。市場では5月の追加利上げ観測が高まり、金融先物が織り込む利上げの確率は47.6%となっている。今回、利上げ期待をさらに高める結果となればポンド高圧力となり、相場変動の材料になりそうだ。

「米金利上昇によって市場が不安定化した以上、金利上昇を誘発する恐れのあるイベントには注意が必要だ」(第一生命経済研究所の主任エコノミスト、藤代 宏一氏)との指摘もあった。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 109.64/66 1.2273/77 134.59/63

午前9時現在 109.14/16 1.2267/71 133.92/96

NY午後5時 109.31/34 1.2262/66 134.07/11

(為替マーケットチーム)

 
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