[ニューヨーク 8日 ロイター] – 米国株式市場は再び値動きの荒い展開となり、大幅続落して取引を終えた。株式と国債利回りの綱引きが続き、ボラティリティーが高止まりする中、相場が底を打つ兆しは見えていない。
S&P総合500種とダウ工業株30種はいずれも1月26日に付けた過去最高値から10%以上下落し、調整局面に入った。8日の取引では終盤にかけて下げが加速し、S&P総合500種は3.8%、ダウは4.2%それぞれ値下がりした。
メリディアン・エクイティ・パートナーズ(ニューヨーク)のシニア・マネジング・パートナーのジョナサン・コーピナ氏は「まだ状況は落ち着いていない。買い手と売り手の両方が、市場がどうしたいのかを探ろうとしている」との見方を示した。「全てを消化しきるまで、こうした状況が続くだろう」と述べた。
S&P総合500種の調整局面入りが前回確認されたのは2016年1月で、原油安を巡る懸念を背景に13.3%下落していた。8日の取引では、市場関係者が節目とみていた6日の日中安値を割り込んで終了した。年初来では約3.5%安。
8日の米債券市場では、10年債利回り<US10YT=RR>が一時2.884%と、5日につけた4年ぶり高水準の2.885%に迫った。英中央銀行が当初の見立てよりも早期の利上げがおそらく必要になるとの認識を示したことが背景。
S&P総合500種を構成する11主要セクターすべてが下落して引けた。金融株<.SPSY>とハイテク株<.SPLRCT>の下げが特に目立った。ダウ工業株30種を構成する30銘柄すべてがマイナス圏で取引を終えた。
投資家の不安心理の目安とされるボラティリティー・インデックス(VIX)<.VIX>は5.73上昇し33.46となった。過去1年間の平均水準の約3倍となる。
個別銘柄では、ツイッター<TWTR.N>が12.2%高。第4・四半期決算が上場以来初の黒字となり、売上高も1年ぶりに増加に転じた。
米取引所の合算出来高は約105億株。直近20営業日の平均は82億株。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を8.26対1の比率で上回った。ナスダックでも5.58対1で値下がり銘柄数が多かった。
S&P総合500種構成銘柄では、52週高値を更新した銘柄はなかった。32銘柄が安値を更新した。ナスダック総合構成銘柄では24銘柄が新高値を付け、113銘柄が新安値を付けた。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 23860.46 -1,032.89 -4.15 24902.30 24903.68 23849.23 <.DJI>
前営業日終値 24893.35
ナスダック総合 6777.16 -274.83 -3.90 7067.30 7073.99 6776.77 <.IXIC>
前営業日終値 7051.98
S&P総合500種 2581.00 -100.66 -3.75 2685.01 2685.27 2580.56 <.SPX>
前営業日終値 2681.66
ダウ輸送株20種 10159.60 -400.99 -3.80 <.DJT>
ダウ公共株15種 647.90 -9.86 -1.50 <.DJU>
フィラデルフィア半導体 1218.66 -53.84 -4.23 <.SOX>
VIX指数 33.46 +5.73 +20.66 <.VIX>
S&P一般消費財 796.89 -33.34 -4.02 <.SPLRCD>
S&P素材 359.85 -13.29 -3.56 <.SPLRCM>
S&P工業 614.18 -25.24 -3.95 <.SPLRCI>
S&P主要消費財 551.64 -12.58 -2.23 <.SPLRCS>
S&P金融 450.30 -21.26 -4.51 <.SPSY>
S&P不動産 181.83 -5.89 -3.14 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 492.78 -15.12 -2.98 <.SPNY>
S&Pヘルスケア 935.46 -34.57 -3.56 <.SPXHC>
S&P電気通信サービス 153.14 -6.08 -3.82 <.SPLRCL>
S&P情報技術 1075.94 -47.42 -4.22 <.SPLRCT>
S&P公益事業 240.87 -3.01 -1.23 <.SPLRCU>
NYSE出来高 12.29億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 21190 – 750 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 21170 – 770 大阪比 <0#NIY:>
*内容を追加しました。
(ロイターデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)