チベット世界遺産寺院火災 「金の屋根が焼失」

旧暦の1月2日に当たる2月17日、中国チベット自治区ラサの仏教寺院「ジョカン寺」(中国名・大昭寺)で火災が発生した。

政府系メディア「西藏新聞網」は、午後10時18分、70文字ほどの長さで火災を伝えた。それによると、17日午後6時40分ごろ、火災が発生したが、すぐ鎮圧され、死傷者はいないという。

一方、地元住民が撮影した映像を見る限り、火の勢いが強く、火柱が上がっているのが確認できる。SNSに投稿された写真や映像は17日夜にほとんど削除された。

1300年の歴史を誇る「ジョカン寺」は、文化大革命の期間中に紅衛兵によって破壊され、深刻なダメージを受け、多くの貴金属が運び出された。2000年に復元され、その後「ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群」の一つとして世界文化遺産に登録されている。

文化大革命期間中、紅衛兵によって破壊されたジョカン寺(ネット写真)
文化大革命の破壊から復元されたジョカン寺(1972年)(Epoch Times)

米国のチベット研究学者、ロバート・バーネット(Robert Barnett)氏はBBCに対し、中国当局が火災の状況を隠蔽しているため、ジョカン寺の被害の規模が懸念されると伝えた。

地元のチベット人は、「ジョカン寺の金の屋根が燃えてなくなっている。付近の道路も全部封鎖されている。多くのチベット人が泣いた」とTwitterに投稿した。

中国当局によって削除された映像

 
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