[東京 30日 ロイター] – 日本取引所グループ(JPX)<8697.T>の清田瞭・最高経営責任者(CEO)は30日の定例会見で、仮想通貨を発行して資金調達するICO(イニシャル・コイン・オファリング)について「海外では詐欺的なものが多いと報道されている。上場企業によるICOは慎重にすべき」との見方を示した。
ICOは、「トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行すれば迅速に資金調達できるメリットがあり、世界的に利用が伸びている。日本の上場企業でもICOを検討する動きが出ているが、利用者保護の観点から法規制すべきだとの声が与党議員から上がっている。
また、JPXは同日、保有するシンガポール取引所(SGX)株式5305万1000株について、3年程度をかけて売却すると発表した。
SGXの株式は東京証券取引所が2007年に約370億円で取得したが、保有を続ける合理性を検証した結果、協力関係維持のために必ずしも保有し続ける必要はないとの結論に達した。清田CEOは会見で「株を売るから協力関係をやめるということではない」と述べた。
JPXは国際会計基準を採用しており、保有株の売却で発生する損益は貸借対照表の利益剰余金に振り替えられる。2019年3月期以降の連結業績への影響はない。*内容を追加します。
(和田崇彦)