何が幸福もたらすか、心理学講義が米イエール大学で大人気

[ニューヘーブン(米コネティカット州) 28日 ロイター] – 米コネチカット州にある名門イエール大学で、ローリー・サントス心理学教授の講義「心理学と幸せな人生」が人気を集めている。週2回の講義が行われる広いホールには、1200人余りの学生が詰めかける。

教授によると、春学期には全学部生の4人に1人が履修を登録。これは、1701年の同校創立以来最大の規模だ。

教授は講義の魅力について、大学にかつてないレベルで蔓延している憂鬱から逃れるため科学が助けになるとの希望だと分析。「学生たちの憂鬱と不安の報告は大学史上、最も多くなっている」とし、社会科学は、何が幸福をもたらすのか、それをどうやって実現できるかについて多くの新しい知見を生み出していると述べた。

サントス教授は、幸福は社会との関わり、運動、瞑想、十分な睡眠によってもたらされると指摘。人生ゲームにおいてはおカネやモノがしばしば目標とみなされるが、幸福への道は違う方向を向いていると語る。

さらに「とても幸福な人たちは、他の人たちと時間を過ごしている。友人や家族と過ごす時間を優先し、バリスタと話をする時間を作る人さえいる」と述べた。

同教授は、間違った目標に向かってしまう「ミスウォンティング」という心理学的現象について指摘し、「高い給料を稼いだり、大きな家を買ったりするために私たちは一生懸命に頑張るが、思っていたほど幸せにはなれない」と話した。

講義の宿題には、もっと感謝の気持ちを表すこと、親切なことを行ったり、社会的つながりを深めたりすることが含まれている。

あまりにも人気なため、このクラスは現在「Coursera.org」のサイトで無料公開されている。

 
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