中国国有造船大手の中国船舶重工集団(中船重工、CSIC)がこのほど、原子力空母や原子力潜水艦などの開発計画を進めていることを明かした。原子力空母の建造を公に認めたのは今回が初めて。中国当局が海軍力の拡張に向けて着実に取り組んでいることが明らかになった。
同集団は2月27日、公式サイトで掲載した今後の方向性や目標などを示す「発展戦略綱要」と題した文章で、「原子力空母、最新鋭原子力潜水艦や超静音潜水艦」など技術的難関の突破を加速させ、「2025年に遠洋での作戦能力を有しているという海軍の戦略目標の実現に向けて高品質の武器装備を提供する」と述べた。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)は1日、匿名の軍事専門家らの話を引用し、中船重工の文章について、中国の原子力空母の開発が技術的難関を突破している段階にあるとし、当局が「原子力空母の建造に着手したのみならず、すでに初歩的な成果を遂げたはず」との分析を伝えた。
メディアの注目が高まったことを受けて、中船重工が自社サイトから同文章を取り下げたとみられる。翌日の28日、関連リリースが中船重工の公式サイトから姿を消した。
中国船舶重工集団は中国最大の海軍造船会社で、世界上位500社にランクインした中国唯一の造船会社である。1991年に設立され、2017年の総資産は約649億ドル(約6兆9000億円)で従業員数は15万人。
(翻訳編集・王君宜)
大紀元日本、EPOCH TIMES JAPAN より転載