国連安保理、北朝鮮の石油・石炭密輸巡り船舶や海運会社に制裁

[国連 2日 ロイター] – 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会は30日、北朝鮮との石油・石炭の密輸に関与したとして海運会社21社と船舶数十隻などを制裁対象リストに加えることで合意した。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米韓首脳との会談を控える中、国際社会は同国への圧力を一段と強めている。

北朝鮮制裁委員会は、中国に拠点を置く5社を含む海運会社21社と北朝鮮船籍の船舶15隻、それ以外の船籍の12隻、台湾人1人を制裁対象のリストに加えた。今回の制裁追加は米国の提案に基づくもので、同委員会としては過去最大規模となる。

米国は2月末に船舶33隻、海運会社27社、台湾人1人に対する制裁を委員会に要請。中国によって決定はいったん延期されたが、米国は29日に対象を絞ったリストを再提案し、30日に全会一致で承認された。

米国のヘイリー国連大使は、今回の制裁決定について、北朝鮮による石油獲得と石炭輸出を巡る不正な取引を阻止するのが目的だと説明。「この歴史的な制裁パッケージが承認されたことは、北朝鮮に最大限の圧力をかけ続ける取り組みで国際社会が団結していることを明確に表している」と述べた。

安保理の制裁により、北朝鮮以外の船籍の船舶12隻は世界中で入港禁止とされ、登録が抹消される。北朝鮮籍の15隻は資産凍結、うち13隻は世界中で入港禁止となる。

中国のほか、マーシャル諸島、シンガポール、パナマ、サモアなどを拠点とする海運会社21社については資産が凍結される。

北朝鮮の石炭輸出に関与したとされる台湾人の男は、資産凍結と渡航禁止の対象となる。

 
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