世界の温室効果ガス排出の8%は観光に起因、ブームで急増=調査

[ボン(ドイツ) 7日 ロイター] – シドニー大学が主導して160カ国を対象に実施した調査で、世界の温室効果ガス排出の12分の1は観光に起因することが明らかになった。レジャーブームが気候変動抑制の世界的な動きを複雑化している実態が浮き彫りになった。

調査にはオーストラリア、台湾、インドネシアの科学者らが参加、結果は「ネイチャー・クライメート・チェンジ」誌に掲載された。

国内旅行を中心とする観光による温暖化ガス排出が最も多かったのは、米国、中国、ドイツ、インドだった。

入手可能な最新データである2013年の統計によると、航空機のフライトやホテル、食事、土産物生産などを含む観光関連の温暖化ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で45億トンと、人類が生み出す温室効果ガスの8%に相当した。2009年には39億トンだった。

観光をより狭い定義で解釈していたそれまでの多くの推計では、観光関連の排出が全体に占める割合は2.5─3.0%にとどまっていた。

さらに調査は、現在のトレンドが続けば、観光産業が2025年までに排出するCO2は65億トンに達するとの見通しを示した。その場合、観光は最も急拡大する排出源の1つになるという。

調査は、単一で最大の排出源は航空機のフライトと指摘。調査を共同でまとめたシドニー大学のアルニマ・マリク氏は、ロイターへの電子メールで、「たとえば公共輸送機関を使用するなどして可能な場合は地上にとどまり、航空機利用を抑制するよう推奨する」と述べた。

 
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