[ケープカナベラル(米フロリダ州) 11日 ロイター] – 米民間宇宙開発ベンチャー企業スペースXは11日、フロリダ州のケネディ宇宙センターから「ファルコン9ブロック5」ロケットの初の商業打ち上げに成功した。
同ロケットは前日、発射1分前に技術的なトラブルの発生で停止され、打ち上げが1日延期されていた。
バングラデシュ政府の最初の通信衛星を搭載した同ロケットは、順調に地球の周回軌道に乗った。ブロック5は従来のブロック4と比べて、出力や安全性、再利用性能などの点で大幅に改良されている。
ロケットのメインステージのブースターは、太平洋上に浮かんだ無人プラットフォームに無事着陸した。回収可能なブースターは、最低限の改修で最低でも10回は再利用できる設計となっており、より低いコストで打ち上げの頻度を上げられるとして、スペースXのビジネスモデルの特徴の1つとなっている。
スペースXを率いる米実業家のイーロン・マスク氏によると、今回の発射は今年になって同社にとって9回目。前年同期は5回だった。
ブロック5はまた米航空宇宙局(NASA)の商業用搭乗員プログラムの基準を満たすスペースXの最初のロケットになる見通し。NASAは有人飛行の最終認定の条件として7回の打ち上げの成功を義務付けている。
ブロック5はファルコン9シリーズの最終型。スペースXは、火星有人飛行を目指す次世代ロケット「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」も開発中だ。