[メルボルン 29日 ロイター] – 東京電力ホールディングス<9501.T>と中部電力<9502.T>の合弁会社、JERA(東京)は、アジア太平洋地域での大規模蓄電池事業で米AES<AES.N>と独シーメンス<SIEGn.DE>の合弁会社および豪再生エネルギー大手ライオングループと提携する。
JERAとライオンが事業費を負担し、AESとシーメンスが共同出資するフルーエンスが蓄電池関連技術を提供する。
先ずは、ライオンが豪州で建設予定の3つの太陽光発電所で使われる蓄電池に注力する計画で、総事業費は最大15億豪ドル(11億米ドル)に上る見通し。容量が世界最大級の蓄電池を使った発電事業が含まれる。
フルーエンスなどの予想によると、発電所で使われるような大規模蓄電池への世界的な需要は2022年までに28ギガワット(GW)、額にして150億ドル以上に拡大し、2017年に電力会社が計画した2GWを大幅に上回る見通し。
太陽光や風力の発電所に大規模蓄電池を併設することで、発電量が不安定な時間帯に需給バランスを安定的に保つことが可能になる。
フルーエンスは日本や中国、韓国、インドで商機を見込むが、足元では豪市場が最も急速に拡大しているとしている。同社の幹部はロイターに「豪市場は非常に急速に成長する可能性がある」と述べた。
3つの太陽光発電所のうち、南オーストラリア州で計画するリバーランド発電所で使われる蓄電池は容量が400メガワット時と、米電気自動車(EV)大手テスラ<TSLA.O>が同州に設置する世界最大級の蓄電池の129メガワット時を上回る。
ライオンによると、3つのプロジェクトはすべて数カ月内に建設を始める見通し。