[シドニー 31日 ロイター] – オーストラリアのチオボー貿易・観光・投資相が今月中国を訪れた際、通商担当閣僚との面会希望を拒否されていたことが分かった。外務貿易省のアダムソン次官が31日、議会で証言した。
オーストラリア政府が外国からの政治献金禁止法案の成立を目指していることや、重要な国内資産に対する中国企業主導の買収計画を承認しなかった影響で、両国関係は緊迫化している。
こうした中でチオボー氏がオーストラリアの閣僚として8カ月ぶりに中国入国を認められ、今月17日に上海を訪問。アダムソン氏によると、チオボー氏はその機会を利用して中国側のカウンターパートに会いたいと打診したが断られ、結局上海市長と会談した。
チオボー氏の訪中後には、世界最大のワインメーカーの豪トレジャリー・ワイン・エステーツ<TWE.AX>が中国で通関手続きの遅れに見舞われていると発表し、両国の関係が一段と冷え込んだ。
オーストラリア政府はトレジャリー・ワインの件をことさら大きな問題にしないよう努めているものの、別の外務貿易省高官の議会証言によると、他にも同国のワインメーカー「4─5社」が同じような状況に置かれているという。