米大統領、北朝鮮非核化の早期合意に懐疑的 金氏書簡は1日受け取り

[ニューヨーク/大統領専用機上 31日 ロイター] – トランプ米大統領は31日、米朝首脳会談の開催に期待を寄せながらも、北朝鮮非核化で合意を得るには1回以上の首脳会談が必要となる公算とし、非核化を早期に実現する可能性には懐疑的な見方を示した。

ただ、6月1日には北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ大統領に宛てた親書を届けるためワシントンを訪れる金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党中央委員会の副委員長との会談が予定されており、首脳会談実現に向けた調整は大詰めを迎えている。

トランプ大統領はロイターとのインタビューで、予定通り米朝首脳会談を6月12日にシンガポールで開催することを望んでいると語った。

その上で、非核化で合意するには複数回の首脳会談が必要な可能性があると強調。「1回の会談で実現させたいが、往々にしてそのようには進まない」とし、「2回、もしくは3回の会談を行う確率が高い。だが、いずれ合意にこぎつける。首尾よく、理性的に行われるかもしれないし、理性的ではなく、辛い道のりになるかもしれない」と述べた。

金正恩氏も合意を望んでいると確信しているとし、「スマートかつしっかりと系統立った方法で合意を目指す。対北朝鮮制裁を解除できるが待ち遠しい。朝鮮半島全体と極めて良好な関係を構築する」と言明した。

さらに、北朝鮮の非核化を巡ってはミサイル開発プログラムも含まれるとした上で「可能な限り迅速なペースでの完全な非核化を望む」と強調した。

ポンペオ米国務長官はこの日、ニューヨークで金副委員長と会談。ポンペオ長官は会談後に「米国と北朝鮮の2国間関係は重要な時期に差し掛かっている。この機会を逃すことは悲劇的だ」とし、「この72時間で真の進展を遂げた」と語った。

同時に、関係改善に向けた道のりは容易ではないとし、米朝首脳会談開催の有無が6月1日に明確になるかとの質問には「まだ分からない」と慎重な姿勢を崩さなかった。

 

 
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