[31日 ロイター] – ソフトバンクグループ<9984.T>が、米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>の自動運転車子会社GMクルーズホールディングスに22億5000万ドル(約2450億円)を投資する。両社が31日、明らかにした。
自動運転車関連の投資としては最大級で、普及が加速する可能性を秘めるとして注目されている。
GMの株価は午前の取引で約11%値上がりし、1日では2010年の再上場以来の大幅高となる勢いだ。
GMは2年前、クルーズを10億ドル相当で買収している。今回の連携で同社の価値を115億ドルと評価した。
GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は、自動運転車「クルーズAV」を商用ライドシェア向けに来年から展開する計画は引き続き「軌道に乗っている」と説明した。
GM独自の配車・配送サービス事業計画は維持しつつ、ウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]や中国の滴滴出行、インドのオラ、シンガポールのグラブなどソフトバンクが資金を出した一部企業と「他の機会」を探る可能性も示した。
出資手続き完了後、GMもGMクルーズに11億ドル出資する。ビジョン・ファンドは同社株を19.6%保有し、取締役会(6人)メンバー1人分のポストを確保する。優先株を取得し、7年後にGM普通株への転換が可能となる。
GMは第2・四半期から、GMクルーズの財務を単体で報告する方針だ。自動運転車の開発・商用化に今年と来年、約10億ドルを投じる見通しを示した。
GMのダン・アンマン社長は、自動運転車から得られたデータの収益化はGMクルーズも管理すると説明、利益率は自動車の売買という従来事業を上回る可能性があるとした。
ソフトバンクの「ビジョン・ファンド」(1000億ドル規模)の関与により、「膨大なスケール」で自動運転車の展開を進めることが可能になるとの考えを示した。
ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズのマネジングパートナー、マイケル・ローネン氏によると、両社は7年間以上、投資を現金化しないことでも合意した。
バーラ氏は、GMがGMクルーズホールディングスを別組織として分離・独立させる考えがあるかと問われると、「株主にとって最善となることをする」と話した。
ローネン氏は、ソフトバンクがウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]や中国の滴滴出行、インドのオラ、シンガポールのグラブなど配車大手への巨額投資を統合する考えがあるかとの質問に、決定は各社次第との認識を示した。