[東京 1日 ロイター] – 財務省が1日発表した2018年1─3月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)では、製造業の不振が浮き彫りとなった。6期ぶりの前年比減益となったことに加え、前期に比べ減収・減益となり、設備投資も減少した。
IT化による半導体製造装置の世界的需要増が寄与したものの、円高による輸出への打撃が大きかった。一方、非製造業は好調。増収増益となり、設備投資も伸びた。資源高に伴う売り上げ増や大型開発などが寄与した。
また、利益剰余金は426兆7376億円となり、いわゆる企業の内部留保は過去最高水準となった。人手不足の影響もあり、人件費は従業員給与が前年比4.4%増加。これは2011年1─3月以来の高い伸びとなった。賞与も同9.0%増と高い伸びとなっている。
詳細をみると、全産業では、売上が前年比3.2%増で6期連続増収、前期比では0.2%増。
他方で経常利益は前年比0.2%増にとどまり、増益幅は製造業の不調を背景に鈍化を続けている。前期比では非製造業の下支えで3期ぶり回復し、1.7%増。
製造業をみると、半導体製造装置やアジア向け自動車販売の増加を受け、前年比1.4%増の5期連続増収だった。しかし円高の影響で、自動車や情報通信機器、電機などを中心に8.5%減と6期ぶりの前年比減益となった。前期比でも減収、減益だった。
非製造業では資源高が卸売業などの販売増につながり、前年比3.9%増、6期連続増収。経常利益も、運輸業や電気業で価格改定が奏功し、3期ぶり増益の前年比5.0%増。前期比でも増収増益だった。
設備投資額の前年比(ソフトウエアを含む)は、3.4%増で6期連続増加。
製造業では前年比2.8%増で、3期連続増。半導体製造装置やその部品の能力増強投資が寄与した。非製造業でも同3.6%増となり、不動産業での商業施設投資やサービス業でのシステム投資が増加した。
一方で、前期比(季節調整済み、ソフトウエアを除く)をみると、全産業で0.0%減。うち製造業が同3.4%減少となり振るわなかった。非製造業は1.9%増。
*見出しを修正しました。
(中川泉)