[KOSTOLAC(セルビア)31日 ロイター] – セルビアの考古学者らが、ベオグラード近郊の古代ローマ都市ビミナツィウムで無傷の石棺を発見した。中には、金銀で装飾された遺骨2体があったという。
現地の人類学者Ilija Mikic氏によると、遺骨のうち1人は長身の中年男性、1人はやせた若い女性のもの。女性は洗練された香水瓶3本と金のイヤリング、首飾り、銀の鏡、高価なヘアピンをもっていた。男性の周囲には、銀のベルト止めと、靴の残骸がおかれていた。
Mikic氏は、「埋葬物から見て、この2人は確実に、社会で上層の階級に属していたと判断できる」と述べた。
ビミナツィウムは軍事拠点で、起源1世紀ごろのモエシア・スペリオル属州の首都だった。競馬場、要塞、大広場、宮殿、神殿、円形劇場、水道(橋)、浴場、作業場があり、歴史家らは人口4万人を抱えていた可能性があるとしている。
ビミナツィウムは5世紀にフン族が破壊、ユスティニアヌス帝が再建したが、6世紀にスラブ族が破壊した。発見された石棺は、何世紀にもわたり、盗掘や農耕、付近の炭鉱操業による被害を免れてきたとみられている。