G7財務相会議が閉幕、米輸入制限巡り対立 首脳会議で協議継続へ

[ウィスラー(加ブリティッシュコロンビア州) 2日 ロイター] – カナダのウィスラーで開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は2日、3日間の日程を終えて閉幕した。米国以外のG7各国は、米政府による鉄鋼・アルミニウムの輸入関税措置を批判し、議論は主要国首脳会議(G7サミット)に引き継がれることになった。

米国以外の6カ国はムニューシン米財務長官に対し、輸入関税措置を巡る「一致した懸念と失望」をトランプ米大統領に伝えるよう要請した。

カナダのモルノー財務相は閉幕後の記者会見で「こうした措置は経済支援につながらず、破壊的であると懸念している。この見解は6カ国に共通している」と述べた。

カナダが発表した議長総括は、関税を巡る対立の解消に向け、G7首脳会議での「断固たる行動」を呼び掛けた。首脳会議は8日からケベック州で開かれる。

ムニューシン長官は記者団に対し、貿易を巡る6カ国の見解は共有しないと述べ、トランプ大統領が貿易不均衡の是正を目指しているとした。

同長官は、米国が関税措置により国際貿易のルールを回避、または第2次世界大戦後に築いてきた世界の経済・貿易体制でのリーダーシップを明け渡しているとの一部G7当局者の発言について、受け入れない考えを示した。「米国が世界経済でのリーダーシップを放棄しているとは考えない」と述べた。

またG7各国の一部見解を既にトランプ大統領に伝えたとし、大統領が他のG7首脳と通商問題を協議する方針だと明らかにした。

現在では、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本のG7各国は、米国による鉄鋼・アルミ輸入関税の適用対象となっている。

フランスのルメール財務相は、米国が同盟国との貿易戦争を回避するのに数日しか残されていないと指摘。緊張緩和に向けた行動を起こすのは米国だと述べた。また欧州連合(EU)が米関税措置への対抗措置を講じる構えだとした。

ドイツのショルツ財務相は、米国の新たな対イラン制裁についてもG7各国がムニューシン長官に反対の姿勢を伝えたと明らかにした。今回の会議では「複数の議題で合意に至らなかった。これはG7会合の歴史上、異例なことだ」と述べた。

 
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