メルケル独首相、イタリア債務削減を否定 「自助努力を支援」

[ベルリン/パリ 3日 ロイター] – ドイツのメルケル首相は、3日付の独紙フランクフルター・アルゲマイネ日曜版に掲載されたインタビューで、イタリアの債務削減に応じる可能性を否定した。

イタリアの大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が2500億ユーロ(2960億ドル)の債務削減を欧州中央銀行(ECB)に求めることを計画していたと報じられたことについて、同紙の質問に答えた。

首相は、ユーロ加盟国の結束は重要だが、債務を共有する連合になるべきではないと強調。加盟各国の自助努力を助ける存在であるべきだとの見方を示した。

その上で、イタリア新政権への対応については「意図を推測するのではなく、オープンな姿勢で協力」する考えを示した。

独首相府によると、メルケル首相は2日、前日に就任したイタリアのコンテ新首相に電話で祝意を伝え、ベルリンでの首脳会談を提案した。また、イタリアの若年層の雇用拡大策について新政権と協議する用意があると述べた。

前述の独紙とのインタビューでは、欧州の統合深化に関するマクロン仏大統領の一部提案を支持する考えも示した。

メルケル首相は、ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)を欧州通貨基金(EMF)に改編し、債務問題を抱える加盟国に短期的な信用枠を付与する権限を持たせる案への支持を表明。EMFは銀行同盟や資本市場同盟など他の統合深化構想を補うと指摘した。

また「ユーロ圏全体が危機にさらされている場合、EMFは関係国を支援する長期の信用枠を付与する権限を持つべきだ」とし、「そうした融資は30年にわたって行われ、抜本的な構造改革が条件となる」と述べた。

さらに「例えば5年といった短期の信用枠も想定できる。その場合、異例の事態で困難に陥った国を保護することが可能になる」とした。

 
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