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バブルや詐欺について議論が巻き起こっているにも関わらず、ブロックチェーンという新技術と暗号通貨は、次第に社会の様々なところで、逆らえない時代の流れと受け止められている。また、一部では、ブロックチェーンという新技術は認めながらも、他には何の価値も感じることなく、暗号通貨を否定的な冷ややかな視線で眺めている人が多いことも事実だ。しかし、暗号通貨はいつの間にか既存の金融システム内に定着を試みている。最近、暗号通貨に関する肯定的な報告書を提出したIMFをはじめ、ニューヨーク証券取引所が暗号通貨取引プラットフォームを肯定的に検討していると発表し、ゴールドマンサックスをはじめとしたウォール街ではすでに本格的に暗号通貨市場に参入する準備をしている。
勿論、まだ暗号通貨の未来を判断するには早い。 しかし、数年間持続されてきたバブルと詐欺に関する危険性の警告にもかかわらず、最近の暗号通貨市場は驚くべき底力を見せてくれており、国際的にも暗号通貨のブームは、まだ静まる兆しを見せていない。
一方、株式市場上での新規株式公開を意味するIPO(Initial Public Offering)と比肩されて、ICO(Initial Coin Offering)といわれる暗号通貨企業の投資金募集の市場は、現在とてもシリアスな状況にある。 統計資料を見ると、全世界的に、2015年においては7件に過ぎなかったICOが、2016年には月平均約3.6件に増加し、2017年にはおよそ月平均28.6回、そして2018年には月平均50.5回と、幾何級数的に増加しており、ICOを通じて募集される資金規模もすでに天文学的な金額を超えているが、市場にはこれを規制して監督する最小限の装置さえもないのが現状だ。
暗号通貨市場を安定化させて発展させるためには、ICO市場を制度の中に編入することが最も緊急な課題だ。 暗号通貨の投機ブームに便乗して、クラウドファンディングのやり方で企業の情報のみを公開して投資金を募集するICO方式は、ICOを装った詐欺や、投資金募集を目的に無分別に市場に参入する企業のリスクにそのままさらされることになる。
検証されたアイディアと技術力を兼備した企業を選別して、投資者らが客観的に評価した信頼できる情報をもとにICOに参加できる市場基盤を設けて、企業を最小限に監督しつつも、支援できる制度がともに設けられてはじめて暗号通貨市場が安定して発展することができるだろう。
この2月、スイスの金融市場監督委員会(FINMA-Financial Market Supervisory Authority)がICOガイドラインを発表し、暗号通貨市場に肯定的な貢献をしたが、実効性は非常に乏しい措置だった。 なぜなら、汎国家的に行われるICO市場で、ある一国家において、ガイドラインを公示したとしても、その影響力が行使されるはずは絶対ないからだ。 しかも、スイスFINMAのICOガイドラインの内容を見れば、ICOに対する新たな規制案を作成したというより、従来の金融市場の規制の中の一部を制限的で消極的に適用しており、その実効性の論争はさらに広がっている。
これに対して、欧州の電子マネー監督委員会(EMSCOMM-Electronic Money Supervisory Commission)が、今年5月から実施すると発表したICO認証制度は、世界の様々な関係機関はもちろん、暗号通貨市場において早くから熱い期待を集めている。
EMSCOMMのICO認証制度は、単に優れた企業を選定して認証することにとどまらず、ICO以降も暗号通貨に関する最高の権威を持った学者で構成されたEMSCOMMのシニアのメンバーが各認証企業のアドバイザーに登録されて、その企業の開発段階から事業進行の全過程を監督して支援する方式で実施されるため、市場に与える実効性が大きいと期待されている。
EMSCOMMの関係者によると、今年4月に制度の施行が発表されたにもかかわらず、世界中の優秀な企業がすでに認定申請をしており、既に厳格な文書審査プロセスはほぼ終了している。 まもなく、EMSCOMMの文書審査基準に合格した企業は訪問のために呼ばれ、最終的に選ばれた企業に証明書が発行されることになるだろうと伝え、欧州を皮切りに、世界的な関係機関と協力して、健全で望ましいICO市場の育成に向けて努力すると明らかにした。
EMSCOMMの今回のICO認証制度を通じて、ICO市場が制度化され、暗号通貨市場の安定と発展に大きく貢献する基盤が構築されることが期待されている。
文 Nicholas Brown / 翻訳 林書羽
大紀元日本、EPOCH TIMES JAPAN より転載
http://www.epochtimes.jp/2018/06/33782.html