[ワシントン 26日 ロイター] – 米下院は26日、海外勢による対米投資の審査を厳格化する法案を400対2の賛成多数で可決した。
中国企業による米国のハイテク技術の取得に対し与野党が懸念を強めている。
トランプ政権や議会は貿易や知的財産権を巡る中国の慣行を不当として対応を検討しており、対米投資審査の厳格化はその1つだ。
現行法では、対米外国投資委員会(CFIUS)が海外勢による米企業の支配株式取得に関する案件について審査を行っている。
下院がこの日可決した法案は、CFIUSの審査対象を米企業の少数株式を取得する案件にも広げる内容だ。外国政府による米国民の個人情報取得や、通信網など重要インフラに関する情報の流出につながる可能性がある案件にも焦点を当てている。
CFIUSに関連した法案は複数の選択肢が議会で検討されており、最終的にどれが上下両院を通過するかは不透明だ。
トランプ大統領はCFIUSに関する法案を支持している。
下院の法案を主導した共和党のロバート・ピッティンジャー下院議員は「この重要法案は、軍事利用が可能な技術がこれ以上中国政府の手に渡るのを阻止するため対米投資審査手続きを改善する大きな一歩になる」と述べた。
対米投資審査の厳格化を巡っては、一部与野党議員の間で中国の投資が欧州に流出するとの懸念も浮上している。
ミッチェル米国務次官補(欧州問題担当)はこの日上院で、トランプ政権の政策を受けて欧州がCFIUSのような投資審査制度を検討しているかどうか意見を問われた。
国務次官補は、商業的な投資と安全保障上の懸念につながる投資とを区別する方法を見いだすため、米政権は中東欧の同盟国と「活発な対話を継続的に」行っていると答えた。
また「中東欧への中国の投資は戦略的であり、拡大している」とし、2015─17年の投資額は241億9000万ドルを超えたと指摘。「中国は影響力を拡大しようと争っている」と述べた。
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