全日空、エンジン点検で6─12日に国内線113便欠航 約2万人に影響

[東京 4日 ロイター] – ANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸(ANA)は4日、6―12日の7日間に国内線113便を欠航すると発表した。英ロールスロイス<RR.L>製エンジンの点検に伴い、機材繰りができなくなるため。欠航は、振り替えのしやすい羽田空港発着の伊丹、福岡など10空港を運航する便。

約2万1000人の旅客が影響を受ける。

点検を行うのは、ボーイング<BA.N>787型機に使用しているロールスロイス製のトレント1000型エンジン。米連邦航空局(FAA)は4月、当該エンジンに不具合が生じる恐れがあると判断。ロールスロイスからの指示と国土交通省航空局からの耐空性改善通報(TCD)の指示を受けて、全日空はエンジン点検を進めてきた。

同社はこれまでは機種変更などで欠航便を出さないよう対応してきたが、6月中旬に新たな指示が出され、点検対象となるエンジンが66台から136台に拡大。今のところ不具合は見つかってないが、部品交換が必要な台数も増えた。

全日空のほか、ブリティッシュ・エアウェイズやヴァージン・アトランティック航空、ニュージーランド航空など世界の航空会社が点検対象エンジンを使用しており、交換部品の供給も逼迫している。このため、全日空は機材の手配ができなくなった。

同社によると、欠航に伴う追加費用や業績への影響は現在、精査中という。今後、ロールスロイス側に追加費用を請求するかどうかについては「これから判断していく」(ANA整備センター技術部部長)としている。

日本航空<9201.T>もボーイング787型機を保有しているが、エンジンはゼネラル・エレクトリック<GE.N>製を使用している。

(白木真紀)

 
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