街角景気6月はやや持ち直し、ボーナス好調背景に購入単価上昇目立つ

[東京 9日 ロイター] – 内閣府が9日に発表した6月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが48.1で、前月比1.0ポイント上昇し、2カ月ぶりの上昇となった。ただ横ばいを示す50の水準は6カ月連続で下回り、力強さは取り戻していない。企業動向関連が低下したが、雇用関連・家計動向関連が上昇。先行きは上昇、50の水準を取り戻した。

年初来、停滞感の強い家計部門だが、5月に連休中の悪天候などでかなり落ち込んだDIは6月にやや持ち直した。西日本を中心に、全国的に消費者の購入単価の上昇を指摘するウオッチャーの声が広がっており、今春闘でのボーナスの上乗せなどが奏功しているものとみられる。

北海道の百貨店では「客単価は婦人服を中心に上昇が目立っており、売り上げも徐々に回復傾向」といった声がある。北陸では高級レストランで「昼も夜も客単価は105%ほど上昇」、スーパーでは「肉の販売状況が好調。特に単価の高い商品が好調に推移」などの声もある。そのほか中国地方の靴の小売店で「20─30代の新規客が高額商品にもかかわらず購入していく」 、九州のコーヒー豆店では「雨が少なく、客数は例年より多くなっている。客単価も上がり、売り上げは例年より増加」といったコメントがある。

2─3カ月先を見る先行き判断DIは50.0で、前月比0.8ポイント上昇。2カ月ぶりの上昇となった。梅雨明けが早く暑さが厳しいことから「出遅れた夏物も前年を少しずつ上回っており、この先も好調が続く見込み」(東北・医薬品)」「エアコン、冷蔵庫に前年とは違う売り上げが期待されている」(東海・家電量販店)など、夏の到来に期待の声がある。

内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「緩やかな回復基調が続いているものの、一服感がみられる」で据え置いた。 ただ災害の影響を懸念する声もある。「6月18日の大阪北部地震以降、宿泊やレストランの客が減少している」(近畿・都市型ホテル)といった影響もあり、7月初めの豪雨による西日本の被害による影響は一段と大きくなりそうだ。

*内容を追加しました。

(中川泉 編集:内田慎一)

 
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