英で対EU強硬派の2閣僚が辞任、メイ政権に痛手 首相は続投へ

[ロンドン 9日 ロイター] – 英国のジョンソン外相が9日、欧州連合(EU)離脱案を巡りメイ首相が目指す柔軟路線に反対して辞任した。前日にはデービスEU離脱担当相も同様の理由で辞任したばかり。来年3月にブレグジット(英のEU離脱)期限が迫る中での2閣僚の相次ぐ辞任は、メイ政権にとって痛手だ。

ジョンソン氏は辞表で、英政権がEU離脱後も緊密な通商関係を維持する方針を示したことにより、「われわれは植民地の境遇に向かっている」と警告。「ブレグジットは好機と希望であるはず」とした上で、「不要な自己不信に苦しめられ、ブレグジットの夢はついえようとしている」と述べた。

辞表を受け取ったメイ首相は、6日の閣僚会議でEU離脱を巡る自らの方針を巡りジョンソン氏ら内閣の合意を取り付けていたため、同氏の辞任に「若干の驚き」を覚えたとの認識を示した。

首相は、ジョンソン外相の後任にハント保健相を指名した。ハント氏は2016年のEU離脱の是非を問う国民投票でEU残留を支持していた。保健相の後任はハンコック文化相が務める。

EU離脱担当相を辞任したデービス氏は、メイ首相のEU離脱案を「EU側にあまりにも安易に妥協するもので、危険極まりない」と批判した。首相は新たなEU離脱担当相にドミニク・ラーブ議員を指名した。

首相は6日、別荘で行われたEU離脱に関する非公式の閣僚会議を開催。8時間にわたる討議を経て、自らの提案について内閣の合意を取り付けたはずだった。

EUからの完全な離脱を求める強硬派のデービス氏、ジョンソン氏の相次ぐ辞任で、与党内の強硬派が勢い付く可能性があったが、首相の交代を求める動きはない見通し。

両氏の辞任を受け、メイ首相は議会で保守党議員らと会い、自身の目指すブレグジット方針への支持を訴えた。多くの保守党議員が首相を支持する姿勢を示したという。

*内容を追加して再送します。

 
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