「何か・・・何かおかしいっておもっていたの」
直感と言うのでしょうか。何かおかしいと、子どもの異変に気付くことがあります。そして、母親や父親、子どもを愛する親が何かおかしいと気付いたことで、子どもの命が救われることがあります。
米イリノイ州に住むジュリーさんは、わが子を大事に思うごく普通の母親です。当時2歳になる息子アベリー君の左眼に斑点があるのに気付いていました。しかしそれが深刻なものとは思いもしませんでした。
ある時、フェイスブックの投稿がジュリーさんの目に留まりました。
網膜芽細胞腫と呼ばれる眼球の癌
(Wikimedia Commons, CC BY 2.0)
写真を撮った時目が白く光っていたら、網膜芽細胞腫という癌が発症しているかもしれないという内容の投稿です。それを読んだジュリーさんは、直感とも呼べる何かを感じ、すぐにアベリー君の写真を撮りました。
「アベリーの眼は何かおかしいって思っていたのよ」とジュリーさんはのちにABC Newsに話しました。
その悪い勘は当たり、写真のアベリー君の左眼は白く光っていました。心臓が鼓動するのを感じました。これで癌が分かったわけではない。それでも診察を急ぎました。・・・そして、癌の告知を受けました。
2歳の我が子が網膜芽細胞腫を患っていました。
「アベリーの左目の眼球の75%に幾つかの腫瘍が散らばっていて、手術が必要です」。夫妻はGo Fund Meで募金を募りました。
「左眼を摘出しなければ、癌細胞が脳に転移し、生死にかかわると告知されました。たった3週間の間に、ごく普通の生活から、癌の告知、そして手術・・・と悪夢のような日々が過ぎていきました。壮絶な日々でしたが、息子の命が救われたことが何よりです」とジュリーさん。
手術は成功しました。左眼を失ったものの、癌細胞を取り除き、寛解状態となりました。
アベリー君は以前のように元気で明るい子どもに戻りました。
夫妻は自らの経験を踏まえて、子どもを持つ親に対し、写真で子どもの眼をチェックするよう呼びかけています。
もし親が気付いていなかったら、癌は進行し、生死にかかわっていたでしょう。
しかし、もし投稿を見ていなければ・・・、もし写真を撮っていなければ・・・、ジュリーさんはその日のことを忘れられないと言います。
ポイントは、フラッシュによる赤光りでなく、白光りです。そして、子を思う親の勘も大切です。
Credit: ABC News.