[東京 12日 ロイター] – ANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸(ANA)は12日、ボーイング<BA.N>787型機に搭載しているエンジンの点検に伴い23─31日に国内線330便を追加で欠航すると発表した。約5万8000人の旅客が影響を受ける。規模は縮小するが、欠航は8月も続く見込みで、盆休みの同月9日―19日は一部の路線で予約も制限する。
7月23―31日に欠航となるのは、羽田空港発着の伊丹、関西、札幌、福岡、広島、岡山など計13路線。他の航空会社や新幹線など他の交通機関を含む代替手段が確保しやすい便を中心としている。787型機を使う貨物便も羽田ー佐賀線の計12便が24―28日、31日の計6日間欠航する。
ANAは今月4日、エンジン点検により6―12日に国内線113便を欠航すると発表。9日にも13日―22日に国内線176便を追加欠航すると公表した。7月中の欠航便数は計619便となり、6日から31日までの全便数の約3%を占める。影響旅客数は計11万5000人で、同社の昨年7月の旅客数1日分(1日当たり約10万人)強に相当する。
点検するのは、787型機に搭載している英ロールスロイス<RR.L>製のトレント1000型エンジン。今年4月、不具合が起きる恐れがあるとして欧米の航空当局がロールスロイスに対して改善を指示。日本当局も指示を出し、ANAは点検を進めている。
新しい機材の稼働開始日の前倒しや不急の機材改修作業の日程先送りなど、ありとあらゆる対応策を講じてきているが、機材繰りがうまくできず、今なお欠航を続けざるを得ない状況にあるという。
8月も羽田発着路線を中心に一部の便を欠航とする見通し。夏休みシーズンで旅客も増えて影響が大きくなるため、盆休みで繁忙期となる同月9―19日については羽田ー伊丹など一部の路線の予約受付を制限する。
ただ、欠航便数は、7月中の1日当たり15―40便程度に比べ、8月は同10―20便程度まで少なくできる見込み。欠航便の数や詳細については今月17日にあらためて公表する予定。
*内容を追加しました。
(白木真紀)