ANA、8月欠航は国内線378便 年内に改良型エンジンに交換

[東京 17日 ロイター] – ANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸(ANA)は17日、ボーイング<BA.N>787型機に搭載している英ロールスロイス<RR.L>製エンジンの点検に伴う8月の欠航が、国内線で計378便になると発表した。

約4万4000人の旅客が影響を受ける。ロールスロイスは同日、内部の耐久性を向上させた改良型エンジンを年内に供給することも表明した。

8月の欠航は、羽田空港発着の伊丹、関西、福岡、広島、大分、宮崎の国内6路線。ロールスロイス製エンジンの点検による欠航数は7月の国内線計619便と合わせると計997便となる。

盆休みで繁忙期となる8月9日から19日までの羽田ー伊丹など一部の路線では予約受付をこれまで制限していたが、欠航便が確定したことにより、本日をもって解除する。

9月の運航便への影響については、8月9日までにあらためて公表する。8月末に発表を予定している10月末から今年度末までの事業計画は、エンジン点検の影響を最小限に抑えられるよう運航ダイヤを見直すという。

<ロールスロイス幹部が謝罪>

点検対象となっているのは、ロールスロイス製トレント1000型エンジン。同エンジンを巡っては今年4月、不具合が起きる恐れがあるとして欧米の航空当局がロールスロイスに対し改善を指示。日本当局も指示を出し、ANAが点検作業を進めてきた。今のところ不具合は見つかっていないが、部品交換が必要と判断したエンジンが多くあり機材繰りがうまくできず、欠航が続いている。

ロールスロイス民間航空部門のプレジデント、クリス・チョラートン氏は17日、エンジンの点検・保守作業に伴い欠航や遅延などが起きていることに関して、ANAと顧客に向けて「大変ご迷惑をおかけしている」との謝罪コメントを発表した。

現在は「エンジン内部の耐久性回復に向けたメンテナンス」を実施しており、対策を講じたエンジン部品の「検証試験が最終段階にある」と説明。ANAなど各航空会社へ改良型エンジンの供給を年内に供給できる予定としている。

(白木真紀)

 
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