[ワシントン 16日 ロイター] – ヨルダン北東部にあるナトゥフ文化遺跡から、約1万4500年前に石の暖炉で焼かれたパンの残骸が見つかった。これまでに見つかった中では最古で、研究者らは、農耕の発達より4000年も前にパン作りが始まっていたことになると驚いている。
パンはピタパンに似た無発酵のフラットブレッドで、オオムギ、ヒトツブムギ、燕麦などの野生穀類や、水生パピルスの仲間の植物から取った塊茎などを粉にひいて作られていた。
ナトゥフ文化は狩猟採集だが定住型を導入した文化。コペンハーゲン大学の考古学博士研究員で研究執筆にあたったAmaia Arranz-Otaegui氏は、「この時期の遺跡にパンが存在したことは稀」とし、これまで、パンの起源は穀類や豆類を栽培した初期の農耕社会と関連付けられていたと指摘した。
これまで最古のパンは、トルコにある9100年前の遺跡から見つかっている。
研究結果は、米国科学アカデミー紀要に掲載された。