[上海/北京 17日 ロイター] – 中国で予算1億ドル(約113億円)以上を投じて製作したとされる超大作映画「阿修羅(Asura)」が、公開後初の週末の興行成績が振るわず、突然上映が打ち切られた。
アリババ・ピクチャーズ・グループ<1060.HK>が出資・製作した同作はチベットの神話に基づくファンタジー大作で、完成に6年を費やした。興行収入は4950万元(約8億3500万円)と不振で、映画評価サイト「豆弁」でのレーティングも3.1と低かった。
製作会社は映画の公式サイトに出した声明で、阿修羅は15日夜で上映を打ち切ると述べ、鑑賞できなくなった人々に謝罪した。
また、製作者側はこれより前の投稿で、オンラインチケット販売サイトでの評価が低いことについて、数字を操作するため組織的で計画的な試みが行われた結果だと指摘、卑劣でばかげた行為であり、映画産業をおとしめるものだと非難していた。
中国メディアは、映画は修正されたうえで再び公開される可能性があると報じている。
今回の騒動は、ハリウッド映画に対抗して国内製作の映画を増やしたい中国にとって、困難が待ち受けていることを改めて示す格好となった。
2016年には米中合作で1億5000万ドルを投じた「グレート・ウォール」がマット・デイモン主演で製作されたが、やはり興行は振るわなかった。