[東京 19日 ロイター] – ホンダ<7267.T>は19日、家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)「クラリティ PHEV(ピー・エイチ・イー・ブイ)」を日本で20日に発売すると発表した。PHVはモーターとエンジンを搭載し、電気でもガソリンでも走行可能なため、電気自動車(EV)普及のネックとなっているバッテリー切れの心配がない。EVへのステップになる車として位置づけ、本格普及に向けた電動車のアピールにつなげる考えだ。
ホンダは2030年に世界販売全体の3分の2(約65%)をハイブリッド車(HV)、PHV、EVなどの電動車とし、全体の50%はHVとPHVにする方針。クラリティPHEVは、中型セダン「クラリティ」シリーズとしてすでに発売している燃料電池車(FCV)と車体を共有している。同シリーズ開発責任者の清水潔氏は「電動化に向けての中心的な存在を、HVとこのPHEVで担う」と語った。
同社は13年6月にセダン「アコード」のPHVを投入したが、リース販売(16年3月に終了)にとどまっており、同社としては売り切りで販売する初めてのPHEVとなる。クラリティPHEVは5人乗りで、約30分で急速充電できる。価格は588万0600円(税込み)と高め、国内での年間販売計画は1000台と少ないが、商品企画担当の森谷翔太氏は、ホンダにとって「電動車の幕開け」を示す重要な車としている。
EVモードでの航続距離は約114.6キロで、トヨタ自動車<7203.T>の「プリウスPHV」の68.2キロを大きく上回る。PHVとして最長クラスを実現しており、清水氏は「日常シーンのほとんどをEV走行できる」と強調した。ホンダ車の中では「『アコード』や『インスパイア』のお客様からの乗り換えを進めたい」(森谷氏)という。
クラリティPHEVは昨年12月に米国ですでに発売。環境車規制の厳しいカリフォルニア州などを中心に今年6月までで7572台を販売した。同国での年間販売目標は「2万台を超えるくらい」(清水氏)を狙う。米国、カナダに続き、日本は3カ国目となる。今のところ北米と日本のみでの展開とする。
*内容およびカテゴリーを追加しました。
(白木真紀)