7月29日、ドナルド・トランプ大統領は、ニューヨークタイムズの発行人、A.G.シュルツバーガー氏と会談し、「メディアが流している大量のフェイクニュース」について議論したことを明らかにしました。
トランプ大統領は7月29日のツイッターに、「ホワイトハウスでニューヨークタイムズの発行人、A.G.シュルツバーガー氏と大変興味深い会談をした。メディアが大量のフェイクニュースを流している問題や、フェイクニュースがいかに『国民の敵』に変身したかについて多くの時間をかけて議論した。悲しいことだ!」と投稿しました。
Had a very good and interesting meeting at the White House with A.G. Sulzberger, Publisher of the New York Times. Spent much time talking about the vast amounts of Fake News being put out by the media & how that Fake News has morphed into phrase, “Enemy of the People.” Sad!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年7月29日
シュルツバーガー氏は7月20日、ホワイトハウスに招待されました。彼によると、このような非公式の会談はよくあることで、先代の大統領たちもメディアの報道について懸念があるときは同じようなことをしていたそうです。
シュルツバーガー氏によると、大統領の「反メディア発言」への懸念を表明するため、大統領との会談を承諾したとのことです。
「私は大統領に、彼の言語は単に対立を生むだけでなく、かなり危険であると言いました」とシュルツバーガー氏。
「私は彼に、たしかに『フェイクニュース』は嘘で有害であるけれども、私はジャーナリストたちに『国民の敵』というレッテルを貼ることについて非常に懸念していると伝えました。私は、彼の扇動的な発言によってジャーナリストたちへの脅威が増し、彼らへの暴力につながりかねないことを警告しました」ともシュルツバーガー氏は述べました。
ニューヨークタイムズは2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントン氏を支持し、選挙当日には、クリントン氏の勝率を85%と予測しました。
ニューヨークタイムズは、ワシントンポストやCNNなどと並んで、「フェイクニュース」メディアだとトランプ大統領から批判されています。
2018年の最初の4か月間、ABC、CBS、そしてNBCによるトランプ大統領に関する報道は90%が否定的なものでした。貿易赤字の改善や失業率の改善、好調な経済、歴史的な北朝鮮の非核化への歩み出しにもかかわらず、トランプ大統領に関するメディアの報道が依然として否定的であることにほとんど変わりはありません。
シュルツバーガー氏はトランプ大統領の発言がジャーナリストらに対する「暴力につながる」と主張しましたが、今のところアメリカ国内でそのような事件は報告されていません。
それに対して、ホワイトハウスが主要なメディアの報道によって作り出されたと考えるトランプ政権への否定的な見方のせいで、トランプ大統領の支持者やトランプ政権の構成員たちがいたずらや暴力を受けたケースが500件以上報告されています。