バラク・オバマ氏の大統領就任時、オバマ政権は、テロリストの資金団体に指定されているにもかかわらず、アルカイダの傘下にある組織「イスラム救援機構」に対する200,000ドル(約2000万円)の資金提供を承認しました。
アルカイダのスーダン支部に当たる組織の1つ、「イスラム救援機構」は、2004年にアメリカ政府によりテロリストへの資金提供組織に指定されました。オサマ・ビン・ラディン及びアルカイダの前身である彼のグループ、マクタブ・アル・ヒダマトとの結びつきがあったからです。
指定をしたアメリカ財務省によると、イスラム救援機構は、ビン・ラディンのグループのために500万ドル(約5億円)を提供したとのことです。また、イスラム救援機構はビン・ラディンを安全な場所に移動させるのにも関与していたそうです。
2003年にイスラム救援機構が、イスラエルに対するハマスの自爆テロのために資金を調達した後、財務省はこの組織とアメリカにあるその支部をテロリストへの資金提供組織にリストアップしました。
「これは、アメリカ政府がテロリズムの支援者たちに最大限の打撃を与えるために総力を結集した結果です」と当時の財務次官スチュアート・レベイは声明で述べています。
10年後、アルカイダやハマス、その他のテロリストグループとの結びつきが知られていたにもかかわらず、米国国際開発庁(USAID)は2014年7月にワールドビジョンへの贈与という形式で、イスラム救援機構に200,000ドル(約2000万円)を供与しました。
ワールドビジョンがスーダン政府からイスラム救援組織のために資金を調達するよう圧力をかけられていたことが、電子メールやその他のやりとりによって明らかになり、その後約1年間USAIDとワールドビジョンとの間で一進一退の議論を繰り返した結果、115,000ドル(約11,500,000円)の供与が承認されたことが明らかになりました。
USAIDの高官、チャールズ・ワンジューは、同僚たちに「いい知らせだ、そして本当にほっとしたよ!」と記し、ワールドビジョンの関係者は、この決定は、イスラム救援機構がイライラしていて、法的手段に訴えると脅してきていただけに、スーダンでの我々の評判が害されずに済んでほっとしたと述べていました。
あるUSAIDの職員は、贈与は行われるべきではなかったと述べました。
また、USAIDは今回の件を受けて、資金供与者選定についての指針の見直しを行うことにしました。
「これは前政権のもとで行われたことなので、現在の国務省、財務省、そしてUSAIDの職員は、この資金供与やその後の認可に関する決定に全く関わっておりません」国務省のヘザー・ノーアート報道官は、資金の供与は前政権のもとで行われたことだと述べました。
このニュースはオバマ前政権のテロリストグループとの関わり合いに関する最新のものです。オバマ前政権は、イランとの核合意を成立させるために、ヒズボラの世界的な犯罪行為に対する大規模な捜査を中止させたとも言われています。
ワールドビジョンは声明で、問題になっている支払いは、「すでに行われた適法な人道活動(給与、人道支援、支援物資など)」に対するものだと述べ、「イスラム救援機構に対する資金供与をしなければ、契約違反を理由に訴えられる可能性があり、それによって政府がスーダンから追放され、その結果として何千人もの子供たちやその家族のライフラインが失われてしまう恐れがあった」と説明しています。
「ワールドビジョンは資金の運用、供与者の選定に関して強固なコントロールをもっており、いかなる資金の流用も非難するし、いかなるテロやテロ行為の支援も強く非難する。我々の資金が緊急に必要な人道支援事業以外に使用されたといういかなる証拠も、我々は持っていない」とも述べています。