ロゼワインとカベルネ・ソーヴィニヨンという2種類の有名なカリフォルニアのワインが最近、フランス人の物理学者のグループによる検査を受けました。この検査の目的は、2011年に発生した福島の原発事故によるワインへの影響の有無を調べることにありました。
研究によると、チェルノブイリ原発事故の後、ヨーロッパのワインの放射性物質の濃度が上昇したそうです。
そこで、フランスの研究者たちは2009年から2012年にかけて生産されたカリフォルニアワインを調べることにしました。彼らは、ワインに含まれるセシウム137の濃度を計測しました。
CNNの報道によると、7月11日にコーネル大学に研究結果が提出され、2011年以降に生産されたワインの数本から、それ以前に生産されたものの2倍の濃度の放射性物質が検出されたそうです。とはいえ、全体的な濃度は低かったということです。
放射性物質は2011年東日本大震災で福島第一原子力発電所の3棟の原子炉が損壊した後、太平洋を越えてカリフォルニア州にまでたどり着いたと考えられています。
アメリカ環境保護庁によると、セシウムは鼻または口を経由して人体に侵入。高濃度のセシウムを浴びると、ガンや早死につながるということです。
もっとも、世界保健機関によると、とても精度が高い検出方法を用いれば微量の放射性セシウムやヨウ素が検出されるかもしれないが、その値は許容量よりはるかに少ないため、他国で生産された農産物を食べたからといって健康への懸念が生じることはないということです。
報告書は、現在生産されているワインのセシウム濃度は、1954年にマーシャル諸島でアメリカが行った過去最大規模の核実験(ブラボー実験)などのときと比べればはるかに低いと述べています。また、1952年より前にはどのワインからもセシウム137は検出されないだろうとのことです。