【中国】韓国系ロッテ財閥を事実上の追放 米中対立のとばっちりの面も

7月30日の韓国「朝鮮日報」によると、韓国の複合企業ロッテグループは、中国にあるすべてのデパートを閉店し、中国の小売市場から撤退を完了しようとしています。

2017年に韓国政府がアメリカの高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の導入を決定したのに始まり、韓国では景気が劇的に悪化しました。韓国政府の動向は中国政府を怒らせ、中国政府は、防衛システムはアメリカ軍によって中国の領空をスパイするのに使われかねないと主張してきました。

中国政府はそれから市民に韓国の製品をボイコットするよう呼びかけたのに加えて、国境沿いでの建設プロジェクトの中止と韓国へのツアー旅行のキャンセルを要求してきました。特にロッテグループは、大打撃を受けました。というのも、中国政府が、韓国にTHAADシステムを配備するためにゴルフコースを提供したとして、ロッテの企業を罰したからです。

ロッテは当初、売り上げの不調を理由に2017年の9月に中国から撤退する計画を発表していました。

韓国の業界のインサイダーによると、中国東北部の瀋陽と四川省・成都のデパートはもうしばらく営業を続ける一方で、天津と山東省・威海にあるロッテのデパートが最初に閉店するだろうということです。

朝鮮日報によると、ロッテのデパートは中国で2016年から2017年までの間、1400億ウォン(1億3000ドル、約130億円)の損失を計上しました。

その一方で、ロッテブランドのスーパーマーケットであるロッテ・マートは、健康と安全性を脅かしたという名目で、中国で87店舗を閉店するよう命じられました。朝鮮日報によると、中国政府からの処罰により1兆2千万億ウォン(10億7000万ドル、約1070億円)を失いました。他のロッテ・マートは利益を出せなかったため売却せざるを得ませんでした。

さらに、瀋陽でのロッテテーマパークの建設が行き詰まりました。2017年11月、北朝鮮の非核化に向けて協力できるかもしれないという期待の下、中国と韓国の間の緊張がゆるみ、瀋陽当局はようやく2段階目の建設の開始を承認しました。

7月30日のマレーシアの新聞によると、ロッテ・マートの中国でのビジネスは次の1,2か月の間に完全に終了するとのことです。ロッテは昨年5月からロッテ・マートの店舗を売却し始めており、96店舗がすでに売却されました。

ロッテは中国で2007年以来ビジネスを行ってきましたが、中国での損失を回収するためにスーパーマーケットやデパートをベトナムとインドネシアで出店する計画を立てています。

韓国のネットワーク市民たちは、韓国は共産主義国家でビジネスを行ったことにより厳しい教訓を得たと発言しています。

「私は、共産主義国家は自国の利益しか考えないことを学んだ。約束を守らないのよ。信じられないような社会だわ。北朝鮮だって同じよ」とあるネットユーザーは言います。

「涙だらけの撤退だ。共産主義の国とはビジネスはできないよ。ロッテは惨めに損失をたくさん出させられた後、追い出されたんだよ。これは、共産主義の国とビジネスを行ったことによる悲惨な結末だね」と他のネットユーザーは言います。

 
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